最新の技術でケミカルの領域を拡張する

ハンファ、ケミカルのオリジナル技

ケミカル産業は、汎用品の限界を超え、技術革新による高付加価値産業へと移行しつつある。ハンファケミカルは2つのオリジナル技術の開発に成功し、2016年12月に韓国の国家技術標準院から韓国最高の権威を誇る「新技術認定(NET、New Excellent Technology)」を獲得し、ケミカル技術の強者として成長している。

この新技術認定の主人公は、ハンファケミカル中央研究所の研究チームである。彼らはオリジナルのケミカル技術を開発し、グローバル市場をリードする基盤づくりにおいて中心の役目を果たしている。

塩素化塩化ビニル樹脂(CPVC)による高付加価値化

2016年12月、新技術として認定された「PVC改質および高効率中性化技法を用いたCPVC製造工程技術」は、耐熱および耐薬品性の用途で求められるCPVCの生産性と加工物性を画期的に改善する技術である。汎用用途でよく使われているプラスチックやパイプの主な原料はポリ塩化ビニル(PVC)であるが、ここにPVC高分子の塩素を付加して塩素含有量を10%ほど高めた製品がCPVCである。CPVCは、熱、圧力、腐食などに強く、消防用スプリンクラーの配管、温水用配管、産業用特殊配管などに広く使われている。

「PVC改質及び高効率中性化技法を用いたCPVC製造工程技術」
塩素含量 10%増加 塩素 塩素 塩素 PVC CPVC Chlorine CPVC’s生産性及び加工性増大 生産性 生産性 加工性 加工性

Hanwha Chemical R&D Center | Seon Jeong Jin, Principle Research Engineer

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Hanwha Chemical R&D Center
Seon Jeong Jin, Principle Research Engineer


Q1. オリジナル技術の開発に成功したもっとも大きな要因は何でしょうか。

A1. CPVC開発のポイントは、ベースとなるPVC樹脂を見つけることでした。私たちは、20年以上PVC製品について研究してきました。そして、塩素化反応を加速化し、副産物の塩酸(HCI)をスピーディに中和できるよう、PVCの孔(ポア)を拡大した樹脂を開発しました。また、押出量を極大化する樹脂も開発しており、このような技術力によってハンファケミカルのCPVCのオリジナル開発が成功したのであります。

Q2. ハンファケミカルがオリジナル開発したCPVCの製造プロセスの競争力は何でしょうか。

A2. 先導メーカーに比べて生産性が15%以上向上しました。また、新規採用した中和剤を使ってCPVCの耐熱性および熱安定性をより改善させた点が特長です。

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プロジェクトリーダーとして技術開発を進めてきたハンファケミカル・中央研究所のジン・ソンジョン首席研究員は、「オリジナル技術の開発に成功できたもっとも大きな要因は、ケミカル素材に対する高度の応用力があったからだ。この技術のポイントは、CPVC開発プロセスに適したベースのPVC樹脂を見付けることだった。20年以上PVCを研究する過程で蓄積した技術力とノウハウをもとに塩素化反応と副産物の中和速度を加速する一方で、押出量を最大化することができた。そして、この技術をもとにCPVCプロセスの開発に成功した」と語った。

CPVCの見込み需要 (単位:トン)
200 thousand 2013 250 thousand 2015 300 thousand 2017 350 thousand 2019
* 出典:ハンファケミカル

世界のCPVCの需要は、2015年基準の25万トンから毎年10%の伸び率で拡大している。ハンファケミカルが先発メーカーに比べて15%以上も生産性が向上した工程技術の開発に成功したことで、急増しているグローバル需要の解消に貢献することになった。

ハンファケミカルは、研究開発とともに生産ラインの開発にも拍車をかけた。韓国南東部にある蔚山(ウルサン)市に3万トン/年規模のCPVC生産ラインを竣工し、2017年3月から商業生産を開始した。さらに中国寧波工場にCPVCラインの増設を検討しているところである。ハンファケミカルは、2020年まで計6万トン/年のCPVC生産ラインを確保し、グローバルマーケットに高付加価値技術を本格的に供給する計画だ。
ハンファケミカルの研究チームは、既存のPVC工場にCPVC工程技術を適用し、汎用PVCの品質を改善する研究も行っている。このように多様な研究開発の推進は、石油化学業界が汎用品の高付加価値化を追求している中、模範的な事例になると見られる。

ハイブリッドメタロセン触媒が「夢の触媒」といわれる理由は?

もう一つの新技術は「ハイブリッド(高活性)メタロセン混成触媒によるMD/HDPE気相重合技術」である。この技術は、従来の実用化されているポリエチレン製造技術に比べてMDPE/HDPE¹領域における優れた操業安全性をもとに機械的物性、耐薬品性および加工性を画期的に向上させる気相法プロセスによるポリエチレン製造技術である。同技術の適用により50年以上高温と高圧に耐えられる高強度高付加価値のポリエチレン製品の生産が可能になり、製品用途に合わせたカスタマイズ生産も可能になる。
¹MDPE/HDPE(中密度ポリエチレン/高密度ポリエチレン)
  中/高密度ポリエチレンは、剛性、機械的物性、加工性および価格競争力があり、パッケージフィルム、各種の容器類、パイプ、梱包材など多様な用途に使われるプラスチック
  素材です。
ハイブリッド(高活性)メタロセン混成触媒を用いたMD/HDPE気相重合技術はポリエチレンの属性を改善させる
機械的な物性 機械的な物性
耐化学薬品性 耐化学薬品性
加工性 加工性
メタロセンタイプ別属性

第1世代メタロセン 第2世代メタロセン 新高活性メタロセン

既存の「第1世代のメタロセン」は、機械的強度は優れていたが加工性が劣り、「第2世代メタロセン」は加工性に優れる反面、強度が劣っていた。しかし、高活性メタロセンは第1世代、第2世代メタロセンの弱点を補完し、強度と加工性を画期的に改善した。「夢の触媒」、「次世代触媒」といわれる理由だ。

ハンファケミカルの研究チームは、フィルム用のメタロセンが95%を占めているグローバルマーケットにて競争力を確保するため、戦略的にMD/HDPE用のメタロセン分野に集中した。その結果、高強度と加工性が極めて優れた新しいコンセプトの製品開発に成功したのである。

Hanwha Chemical R&D Center | Sung Woo Lee, Principle Research Engineer

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Hanwha Chemical R&D Center
Sung Woo Lee, Principle Research Engineer


Q1. ハイブリッドメタロセン触媒システムとは。

A1. 次世代高活性メタロセン触媒技術を利用してポリエチレンの分子構造を制御し、広い分子量の分布、長鎖分枝の導入、高分子量体に短鎖分枝を集中させることで、すでに商用化されているポリエチレンに比べて衝撃強度、曲げ強度、耐圧強度および加工性が画期的に改善されたポリエチレンの製造が可能な触媒技術です。

Q2. ハイブリッドメタロセン触媒システムの特長とその効果について一言お願いします。

A2. 機械的な強度と加工性が画期的に改善された新たなポリエチレン生産が可能な技術を確保したことで関連するプラスチック産業の軽量化と薄肉化、そして生産性増大による原価競争力の確保という強みがあります。また、有機溶剤を一切使用していないことから、エコフレンドリーであるだけでなく新たな高付加価値製品の開発に繋がる基盤が整ったと思います。

Q3. ハンファケミカルが開発したハイブリッドメタロセン触媒システムの競争力は何でしょうか。

A3. ほとんどの石化メーカーは、フィルム用メタロセン技術の開発と市場拡大に注力していますが、ハンファケミカルはメタロセンの未開拓分野であるといわれるMDPE&HDPE分野をターゲットに技術開発を進めています。ハンファケミカルの気相法プロセスによるポリエチレン生産基盤を確保したことで、他社のスラリー法プロセスによる製品に比べて原価競争力があり、環境にもやさしいポリエチレンを製造できます。

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「ほとんどの石化メーカーが、フィルム用のメタロセン技術の開発および市場拡大に注力している反面、当研究チームはメタロセンの未開拓分野であるMDPE/HDPE分野をターゲットにして技術開発にまい進した。また、ハンファの石油化学部門が保有する気相法の生産設備を活用して、他社のスラリー法生産設備に比べて原価競争力、環境にやさしいポリエチレンを製造する技術を確保した。ハイブリッドメタロセン技術は、今後プラスチック産業の生産性増大において貢献することが期待される。」

ハンファケミカル研究チームは、ほかにも多様なオリジナル技術の開発に拍車を掛けており、これからグローバル石油化学業界の高付加価値化の流れを先導する技術力の開発に力を入れる予定だ。

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