革新による競争力の確保

革新による 競争力の確保

「Made by ハンファ」、グローバル太陽電池市場で最も多く採用されているEVA

温室効果ガス排出の削減が世界的な課題として浮上する中、太陽光は次世代のエコエネルギー源として高い関心を集めている。2016年、世界の太陽光発電部門の新規設置電力は、前年比32.7%増の302GWに達している。

太陽光発電は、光エネルギーを電気エネルギーに転換して使用する。このエネルギーの転換を担当する装置が「太陽電池モジュール」であるが、このモジュールは、光のあたる上層部から順に、ガラス、封止材、セル(電池)、封止材、バックシートのレイヤーで構成される。モジュールの構成において中核的役割を担当する封止材は、0.5mmの薄膜でセルを覆い水分の浸透を防ぎ、絶縁効果と外部の衝撃からセルを保護する重要な役割を果たしている。封止材の素材として使われるエチレン・ビニル・アセテート(EVA)は、約30年前から太陽電池の封止材として使われている。

ハンファトタルは、このようなグローバルなエネルギーの需要および市場の変化に対応するため、従来の製品とは差別化された高付加価値EVAの開発に乗り出した。品質革新の研究に邁進した結果、ハンファトタルは太陽電池用の高付加価値EVAの分野において、グローバルトップの生産量(24万トン)と約35%のシェアで、業界において圧倒的な1位を占めている。

世界初のチュブラー工程で、VAM28%含量のEVAの商業生産に成功

EVAは、酢酸ビニルモノマー(Vinyl Acetate Monomer、VAM)の含量によって、低含量は一般の汎用品、高含量は高付加価値製品に分けられる。太陽光発電に使われる太陽電池用封止材には、高含量EVAが使われる。ハンファトタルの研究チームが開発したEVAは、VAM含量28%の高付加価値特化製品である。

EVAの生産工程は、チューブ形の管型反応器(Tubular)工程と容器形のオートクレーブ(Autoclave)工程に分けられる。EVAの生産工程は、反応温度230度以上、反応圧力2500気圧以上の超高温、超高圧の環境で行われる。チュブラー工程は、このような極限の条件と設備の制約により小規模テスト設備の建設が難しく、信頼性のあるデータや確信がないまま、大規模な商業工場でテスト生産を試みることは大変難しいことである。そのため、ほとんどのEVAメーカーは主にオートクレーブ工程を導入しているが、酢酸ビニル含量の高いEVAの生産は容易である反面、生産性が低いことがデメリットとなっている。

ハンファトタルの研究チームは、高含量EVAの生産にチュブラー工程の適用を試みた。研究チームは、これまで管型反応器の重合工程を通して高品質のLDPEを生産したノウハウで開始剤を開発し、生産ラインとの協業を通して、パイロットプラントの代わりにチュブラー工程を安全にテストできるシミュレーションプログラムを独自で開発した。

Hanwha total team leader Ji Yong Park
Ji Yong Park, Manager of Hanwha Total Petrochemical

ハンファトタル・パク・ジヨンチーム長 「チュブラー工程は、パイロット生産による事前評価や小規模サンプル製造による評価が不可能なため、製品開発が非常に難しい。私たちは、この問題を解決するために独自で開発した工程解析および製品設計用シミュレーターを通じて、最適の重合条件を探し出し、最小限のテスト生産を経て、生産技術として発展させることに成功した」

ハンファトタルの研究チームは、段階的なテスト生産の末、世界で初めてチュブラー工程による太陽電池用EVAの商業生産に成功した。管型反応器工程で生産されたEVAは、オートクレーブ工程で生産された製品に比べ分子量の分布がより密集した分子構造を持っているため、太陽光の透過率が大変優れた透明性、超高純度、低収縮性などの特性の向上とともに、生産性も30~40%ほど改善し、高い品質優位を確保することができた。

ハンファトタルのEVAは、2016年「世界一流商品¹」、「IR52チャン・ヨンシル賞²」のタイトルを獲得し、世界最高レベルの技術力を基盤とした「品質競争力」でグローバルマーケットを制覇した。ハンファは、付加価値を創り出すための研究を進めることで、ケミカル業界のリーダーシップをさらに拡大していく計画だ。
  • ¹ 世界一流商品(韓国産業通商資源部選定): グローバル市場においてM/S5位以内、またはマーケットシェア5%以上の製品のうち、世界の市場規模が年間5千万ドル、輸出規模が年間500万ドル 以上の製品を選定
  • ² iR52 チャン・ヨンシル賞(韓国産業技術振興協会主催):新技術の適用で開発・商品化に成功した差別化された製品、産業技術の革新をリードした組織に贈られる。

Back to top